大坂なおみ快進撃の要因は、伊達公子氏も目を見張るピーキング力 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 吉川コーチは、大坂の大きな武器であるショットの進化も挙げる。

「技術でいえば、フォアハンドが向上して、前よりもコートを広く使えるようになりました。狙った所へのスウィングの仕方が、彼女のイメージと一致してきている。フォアハンドが進化して、相手にはプレッシャーになっています。そして、安定しているバックハンド、攻撃力の高いフォアハンド、このバランスがよくなりました」

 さらに、大坂の代名詞ともいえるビッグサーブの進化も指摘する。

「もともと彼女はすばらしいサーブを持っていますが、より大事な場面で、正確なトスが上がり、正確なファーストサーブが打てるようになりました。コースも厳しく狙いますし、それに伴うスピードも、サーブ自体の精度が上がっています。キープ力も上がっているし、大事なところで信じられるものがあるのかな」

 大坂自身が目標としている"成熟度"に関しても、吉川コーチは今回の全豪での戦いで向上してきているという。

「(逆転勝ちした)3回戦や4回戦で示しています。目の前の1ポイントがどうとか、1ゲームがどうとかではなくて、試合をとおして相手から勝つ方法を探せるようになっている。そこに彼女の成熟、成長が見られます」

 準決勝で大坂は、同じく初めて全豪ベスト4に進出してきた第7シードのカロリナ・プリスコバ(8位、チェコ)と対戦する。対戦成績は大坂の1勝2敗だが、直近の対戦では、昨年9月にWTA東京大会(パンパシフィックオープン)の決勝で対戦し敗れている。

「彼女(プリスコバ)のサーブを読めるのは稀なことで、自分にとってはとても難しい。(プリスコバが)ミスをたくさんすることはないですね」(大坂)

「(大坂の)フォアハンドは私にとって大きなプレッシャー。彼女はフォアサイドからゲームを展開してくるでしょう。1球でも多く返してできることを何でもしたいし、攻撃的にいきたい」(プリスコバ) 

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