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日本男子テニスは「錦織抜き」で
十分戦える。デ杯惜敗で見えた光明 (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 一方、右手首のケガから復帰し、デ杯と同じ週に行なわれたATPチャレンジャー・ダラス大会で優勝した錦織が、今後、日本代表へ合流することはなかなか難しいのではないだろうか。28歳になり、右手首の回復具合や年齢による体力回復スピードの衰えを踏まえると、ツアーでの個人戦と代表戦の両立は簡単ではなくなる。

 また、自身のキャリア後半に入っている錦織がグランドスラム初制覇のために、個人戦を優先させたいと言っても何ら不思議ではない。岩渕監督も状況を理解し、まずは錦織がベストコンディションに戻ることを願っている。

「もしかしたら100%というのは、選手をやっている限りないかもしれないですけども、(錦織が)なるべく100%に近づいた状態で、プレーできるようになるといい。

 協会としてもできる限りのサポートをしたいですし、そのうえで代表戦もタイミングが合って、彼にとってプラスになり、チームにとっていい方向でいくようであれば、招集をかけて一緒にプレーしたい。まずは、個人戦でランキングを元に戻すことが優先になるかなと思います」

 日本はWG残留をかけて、9月にプレーオフ(入れ替え戦)を戦うことになる。

 そこで、左ひざの手術からカムバックした西岡良仁(170位)が代表に復帰すれば、シングルスは杉田との2枚看板で臨めることになり、たとえ錦織がいなくても、単複で勝利を計算することができる。

「(日本代表の)レベルが高くなって、層が厚くなる。そういう流れが来ていることは感じている」

 イタリアに負けはしたものの、"岩渕ジャパン"は自信をさらに深めて、たしかに前進をしている。

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