錦織圭のいる場所に。東京五輪と世界50位を狙う、19歳と20歳 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「アイツが行けるなら、自分も同じところにいていいはず。ATPツアーの上位というと遠いところのように思えたが、実はそんなに遠い場所ではないんじゃないか......?」

 そんな想いを抱いて挑んだ10月の楽天ジャパンオープンでは、予選でトップ100の選手を破って本戦出場。本戦初戦でも52位のライアン・ハリソン(アメリカ)相手に、フルセットの大熱戦を演じてみせた。

 20歳と同時に全日本王者となり、プロ2年目でツアーの舞台も踏んだその足跡を、周囲は「順調」と評しがちだ。だが、高橋本人の自己評価は、世間のそれとはまったく異なる。

「世界に目を向ければ、自分と同世代の選手たちがグランドスラムやマスターズで活躍している。まだイメージしづらい場所ではあるが、冷静に考えたときに自分がどこに行きたいかと言えば、彼らのいるところ。それを考えたら、こんなところで足踏みしている場合ではない」

 高い目的意識を掲げる高橋が目指すのは、「錦織選手がいる、あのレベル」で戦うこと。その高みへの順路を示す格好の道標が、2年半後に迫った東京オリンピックだ。

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