もう全米オープンの初勝利にも驚かない。
杉田祐一の強さはホンモノだ (2ページ目)
また、かつて松岡修造氏のツアーコーチを務め、世界的な名コーチとして知られるボブ・ブレット氏が、課題として杉田にアドバイスしていたのがフォアハンドストローク。それを高い打点で攻撃的に打つことができており、フォアだけで10本のウィナーを奪い、さらにフォアを攻撃的に打ってネットにつなげるプレーも多く披露した。結局、トータルのウィナー数は18本を数え、ネットプレーは16回中13回をポイントにつなげて成功率は81%と高かった。
ジュニア時代から杉田のプレーを見守ってきた元フェドカップ日本代表監督の村上武資氏は、今の杉田の活躍を「心から嬉しい」と顔をほころばせる。
「すごくプレーの幅が広がりましたね。ネットに行くようになり、前のスペースも使えるようになって、より攻撃的になった。
以前は、まじめに全部のポイントを取りにいっていたような感じだったが、今はうまく捨てるポイントと取りにいくポイントのメリハリをつけられるようになった。おかげで、ギアを上げられるようになりましたが、経験からくる工夫だと思います。底力がついたことで、トップの選手にも勝てるようになったんでしょう」
「アメリカシーズンで、いい入りができている」と杉田自身が語るように、夏の北米ハードコートシーズンでは、マスターズ1000・シンシナティ大会で準々決勝進出を果たし、マスターズレベルで初のベスト8を記録した。
ATPアンタルヤ大会でのツアー初優勝をはじめ、グラスシーズンで好調だった杉田はその後にどう結果を残すかが大事だと、何度も繰り返し自分に言い聞かせるように語ってきた。だから、サーフェスが変わりハードコートシーズンになっても、引き続き好調が保てていることに杉田はより自信を深めている。
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