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もう全米オープンの初勝利にも驚かない。
杉田祐一の強さはホンモノだ (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


「グラスは本当に特殊なサーフェスなので、(ツアーの)メインとなるハードコートでどこまで(自分が)通用するのかという意味で、(マスターズで)ベスト8に入れたことは非常に大きいですし、いい弾みになっていると思っています」

 これまでのUSオープンでは苦い思い出の方が多かった。2009年から毎年予選に挑戦し続け、過去8回とも本戦に進めず、しかも2010年と2014年は予選決勝で負けた。ようやく9回目のUSオープンで、時間はかかったものの28歳にして初の本戦ストレートインを果たし、初勝利もつかんでみせた。いま、杉田の実力が高いレベルにあることをニューヨークでも証明してみせた。

「長いといえば、長かったんですけど......。本当にそれを感じさせないぐらい充実したここ数カ月という感じでした。

 本当に今年、ググッと世界が変わったというか、今までと違うスケジュールと、違う試合でいい結果を残せている。この全米に限らず、すべての面において、新しいツアーで戦えるようになったのは非常に大きい」

 杉田は、1回戦で第26シードのリシャール・ガスケ(30位、フランス)を破ったレオナルド・マイヤー(59位、アルゼンチン)と2回戦で対戦する。ふたりは2011年ATPハレ大会(ドイツ)の予選で一度だけ対戦しているが、フルセットで杉田が敗れている。

「ここからは、ほとんど(自分より)レベルの上の選手と対戦していかないといけない状況だけど、ワクワクしています。やっぱり自分のテニスを出し切ることが大事になってくるので、相手のことを考えるよりも、まずは(自分が)ベストのコンディションで戦えるようにしたい」

 日本のエースである錦織圭が右手首のケガによってUSオープンを欠場となったが、その穴を埋めてくれるかのような勝利を収めた杉田。内なる闘志を静かに燃やしながら、グランドスラムでの挑戦は続いていく。

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