大坂なおみが18年間を振り返る「お姉ちゃんこそ最大のライバル」 (5ページ目)
「この試合で覚えているのは、負けた(2−6、3−6のスコア)という事実。いつもの練習のときと同じような感じで負けてしまった。でも結局、お姉ちゃんは決勝で負けちゃったのよ。『なんで私に勝ったのに、次の試合で負けちゃうの』って思ったことは覚えているわ」
4年前の試合を、まるでつい最近のことのように振り返りながら、彼女は、「奇妙な感じね。こうやって記録を見ていると、いろんな試合のことが思い出されるんだもの......」と言い、さらに視線を過去から現在へと辿っていった。
その彼女が視点を止め、「これ!」と嬉しそうに声を挙げたのは、2013年5月のテキサス大会に到ったときである。
「これは、私が初めて決勝に行った大会なの。途中でエリカちゃんにも勝ったのよね」
「エリカちゃん」とは、瀬間詠里花のこと。2回戦で日本人対戦を接戦の末に制し、そして決勝まで勝ち上がった15歳の日のことは、大坂の記憶に深く焼きついていたようだ。
さらに彼女が、「これこれ!」と指さしたのが、2014年3月のメキシコ大会。「ここで初めて、公式戦でお姉ちゃんに勝ったの」。姉妹対決が実現したのは、2回戦。スコアは6−4、7−6であった。
「試合後は、どんな感じだった? お姉ちゃんに気を遣って素直に喜べなかった?」
そう問うと、大坂家の二女は、「まさか!」と即答する。
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