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4戦全敗のライバル復活も歓迎。
錦織圭は「打倒トップ2」で全米に挑む (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 素直にライバルのプレーを称えつつ、その復帰までの道のりに自らの経験を重ね、胸中に寄り添うように彼は続けた。

「まあ嬉しいことですね。2~3年休んでいてすごく苦労をしただろうし、辞めるという選択肢もきっとあったろうし、そのなかで戻ってきたので。ジョコやマリーを倒す存在に、絶対に彼はなれる。もちろん、自分のライバルにもなりますけれど、でもテニス界にとってすごくよいことだと思います」

 そのデル・ポトロは、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て、来る全米オープンに出場する。シードのつかぬ実力者は、上位勢にとっては畏怖(いふ)の対象にもなるだろう。

「五輪で彼の試合をいくつか見て、とんでもないレベルだと感じた。またグランドスラムで優勝する力があるだろうし、彼はUSオープンで優勝しているのだから、チャンスを与えたのは大会側のいい判断だと思う」

 デル・ポトロの復活と全米オープン出場。新たなチャレンジを、錦織は歓迎するかのように言った。

 オリンピックで銅メダルを獲っても、彼は「本当は金メダルが欲しかった」と控え目に主張する。トップ5からの勝利を手にしても、「まだ勝てないふたりがいる」と上を見る。

 この青年は、果たしてどこまで行ったら、心から「嬉しい!」と思えるのだろうか――。

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