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「本当は金が欲しかった」
錦織圭がリオの銅に見いだす大切なこと (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 では、その立ちはだかるふたりを破り、夢の階段を上がるうえで、リオ・オリンピックはいかなる意味を持つのだろうか――。

 錦織が答える。

「あの場でしか経験できない緊張感があったし、特に最後の試合は6-2、5-2とリードしたころからだんだんプレッシャーを感じてしまい、メダルもチラつきながらの戦いで硬くなった。いつものようなプレーができなくなってしまったけれど、それを乗り越えて勝てた経験が、今後も力になっていくと思います」

 4年に一度の夢舞台で得た「重圧」と、それを克服した「事実」は、必ずツアーでの戦いに生きると彼は信じる。

 栄誉と成果への誇りと自信、それと同時に抱く、気持ちを切り替えてさらなる高みを目指す覚悟。自宅に残してきた銅メダルこそが、それら混ざり合い光を放つ、種々の想いの象徴である――。

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