手術を乗り越えて...クルム伊達公子
「復帰へ1日30時間をリハビリに」 (3ページ目)
――では、復帰予定計画はどうなりますか?
「......来年春には試合に戻れれば、と考えています」
――秋には46歳、不死鳥計画ですね。伊達さんはよく「私はテニスが好きだから......」と言います。伊達さんにとって"好き"ってどういうことですか?
「ほ かのことはまったく関係ないということですね。もちろん、テニスをしているときはボールを追いかける。打ち合うこと以外にも戦略も考える。テニスの中で考 えることはたくさんあるんですけど、純粋にテニスだけに向き合って、テニスだけに没頭する。自分は無になっていられる時間なんです」
――時間を忘れてしまうような無我でしょうか?
「うーん、何分経ったかわからないとか、気がついたら夜になっていた......とか、そういうことはないです(笑)。時間感覚は失わないのですが、かけがえのない時間ですね」
――テニスが一番好きなのに、ドクターに「手術をすれば、スキーができるようになりますか?」と聞いたのはどうしてですか?
「テ ニスも好きですが、スキーも好きなんです。父がスキーも山も好きだったので、その影響ですね。テニスを始めてからスキーからは遠ざかることも多かったので すが、第一キャリア(26歳で引退する前)の頃も、こっそりスキーに行っていました。引退後は、それこそちょくちょく行っていました。この間の2回目の手 術のとき、マイク(夫、レーシングドライバーのミハエル・クルム)にヨーロッパにスキーに連れて行ってね、と約束したんです。海派と山派に分けるなら、山 派です。緑に囲まれていると心地よいので」
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