手術を乗り越えて...クルム伊達公子
「復帰へ1日30時間をリハビリに」 (2ページ目)
――伊達さんのブログには病院のベッドでの生活、車椅子での移動の写真が見られました。それは痛々しいというよりも、テニスがいかに伊達さんにとって大切なものであるかを感じさせました。
「手術したからといって、痛みを感じなくなる保証はないのです。でも、可能性に賭けました。術後は順調かと問われれば、順調ですが、すべてはこれからなんです。
まず、日常生活のできる体になり、次にアスリートの体に戻さなくてはならない。ある程度は覚悟していますが、未知の部分は少なくないです。......ギリギリのところまで(自分を)追い込み、腫れて、痛みが出て、その繰り返しをしなくてはならないわけです」
――スポーツの中でも、テニスの動きはかなり複雑ですね。
「そ う。前に歩く、走る。前後、左右の動きに加えて、試合となれば、予測のつかない動きにもなりますから、それに耐えられるのか、膝がもつかは未知......少しず つ、少しずつチャレンジしていこうと思っています。あせる必要はないと思うのですが、年齢のことを考えると、そんなにゆっくりもしていられないのです。ド クターから手術が40%、リハビリが40%、残りはコートに立ってみないとわからないと言われています。どのくらいの違和感が出るのか、どんな違和感なの かもわからないし、想像もできない......」
――JISS(国立スポーツ科学センター)でのリハビリでは、優等生ですか?
「優等生かどうかは、周りにもたくさんのスポーツ選手がいろいろな状況や、状態を抱えてトレーニングしているのでわかりませんが、性格的にもトレーナーさんからは『やり過ぎないように気をつけて』と強く言われています」
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