2016.06.27

松岡修造いわく「相性は悪くない」。
錦織圭が苦手な芝を克服するカギ

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

 ウインブルドン――。

 それはグランドスラムでも最古の歴史を誇り、白のウェア着用義務に代表される厳格さで格式を保ち、世界最高の知名度を確固とする大会である。錦織圭も、「やっぱり最初に名前を知ったのは、ウインブルドンだと思います」と、その威光に幼少期から触れてきたことを否定はしなかった。

苦手とする芝のコートで錦織圭はどこまで勝ち上がれるか しかし、現実的な戦績としてウインブルドンは、彼をもっとも苦しめてきた大会である。他のグランドスラムではすべてベスト8以上に勝ち進んでいる錦織だが、ウインブルドンは昨年のベスト16が最高成績。大会そのものの位置づけも、「うーん……、やっぱり結果が出てないところなので……」と、うなってしまう対象だ。

 錦織がウインブルドンを苦手とする最大の理由は、コートの種類(サーフェス)が”芝”であることに尽きるだろう。現在のツアーテニスにおける主なサーフェスは、芝、クレー(土)、ハードの3種。これらのサーフェスはボールの跳ね方から、求められるフットワークまで大きく異なり、そのため選手によって得手・不得手も変わってくる。

 現役選手のなかで、芝でもっとも高い勝率を残しているのは、ウインブルドン7回の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス)だ。その数字は「.870」。逆に彼がもっとも苦手とするのはクレーで、勝率は「.759」。クレーでも十分に強いのだが、やはり芝との差は歴然としている。また、3年前に英国人男子選手として77年ぶりにウインブルドンを制したアンディ・マリーも、芝でもっとも勝っている選手。クレーでは「.705」、ハードでは「.776」の勝率が、芝では「.848」まで上昇している。