2016.04.11

大坂なおみが語る日本への想い。
「有明は私のホームコート」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

「あなたは、すごく細かいことを気にするのね?」

 クリクリした瞳に、好奇と少しばかりの戸惑いの光をたたえながら、大坂なおみは楽しそうに笑って言った。

試合に勝利するとコート上で感情を爆発させる大坂なおみ グランドスラムに次ぐグレードの大会であるマイアミ・マスターズ2回戦で、大会14シードのサラ・エラーニ(イタリア)を破った後の会見での一幕。

 第1セットの自分のサービスゲームで相手にひとつのポイントも与えなかったこと、あるいは、この大会のコートの特性や相性について聞かれた18歳の少女は、「そんなこと、まったく気にしてなかったわ。私にとって、テニスはテニスだもの」と返答する。そのやりとりを見ていたイタリア人記者が、笑い声を交えながら大きな声で指摘した。

「あなたは、こういう状況に慣れなくちゃいけないわ! だって、この手の質問って記者が偉大な選手にする、とっても典型的な内容ですもの。あなたは偉大な選手になる。だから、そのうち慣れないと!」

 そんなものなのかな……そう不思議に思っただろうか、大坂はまた、はにかんだ笑みを浮かべた。

 周囲の人たちは、自分がこれまで考えもしなかった”細かいこと”を気にするものだ――。それは、おそらくこの1〜2年で大坂が幾度も直面してきた、戸惑いと疑問だろう。なかでも彼女をもっとも困惑させるのは、国籍に関する問いの数々。予選を突破し、3回戦に躍り出た今年1月の全豪オープンでも、大坂は会見のたびに各国の記者たちから、生い立ちや国籍選択に関する質問を投げかけられた。