2016.04.18

錦織圭がマスターズ1000大会を
欠場してまで2週間休む理由

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 日本では桜が散り、瑞々しい新緑の季節が始まるそのころ、世界のトップテニス選手たちは欧州の陽光に映える「赤いコート」を駆けまわる。テニス界における春から初夏とは、クレーコート(赤土)の季節である。

昨年のバルセロナオープンで錦織圭は2連覇を成し遂げた 世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)や2位のアンディ・マリー(イギリス)、さらにはひざの手術から復帰したばかりのロジャー・フェデラー(スイス)に、”赤土の王”の称号を持つラファエル・ナダル(スペイン)……。彼らは4月9日に開幕したモンテカルロ大会を、クレーコートシーズンの始まりの地に選んでいる。つまりは、ほぼすべてのトッププレーヤーがモナコ公国最大の街に集っているのだが、そのなかに錦織圭の姿はない。来る過酷な季節に備え、彼はフロリダ半島の高温多湿な気候のなか、激しいフィジカル強化トレーニングに挑んでいるはずである。

 モンテカルロ大会は、先月まで北米で開催されていたBNPパリバオープンやマイアミオープンと並び、年間9大会ある『ATPマスターズ1000』のひとつである。ただ、モンテカルロが他のマスターズと異なるのは、トップ選手たちに課される”出場義務”の対象外である点。とはいえ、優勝者にランキングポイント1000点が与えられることなどは、他のマスターズと変わりない。多くのトップ選手が出場するのもそのためであり、今年もトップ10選手で欠場したのは錦織のみである。