2016.04.08

錦織圭の父が語る「絶対王者・
ジョコビッチ超え」に必要なもの

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 それは、どちらが勝っても、新たな歴史が生まれる日であった――。

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が勝てば、その勝利は彼にとって28回目のマスターズ優勝となり、27回で肩を並べるラファエル・ナダル(スペイン)を抜いて「歴代単独1位」に躍り出ることになる。

 あるいは錦織圭が勝てば、それは「アジア人初のマスターズ優勝」という金字塔となり、同時に、ジョコビッチよりも若い唯一のマスターズタイトルホルダーが誕生することをも意味していた。

ジョコビッチの圧倒的な強さに押され、うなだれる錦織圭「今季の目標は、マスターズで優勝すること」

 そう公言していた錦織が、当面の目標まであと1勝と迫った日。3月下旬から4月上旬にかけた2週間――96名のトップ選手により競われたマイアミ・オープンの頂上決戦は、「世界1位の絶対王者」と「日本から現れた革命児」の対決であった。

「ミスを減らすことが一番重要ですね。毎回負けたときは、ミスが増えて自滅するパターンなので、なるべくそれを減らすこと。あとはサーブの大事さ。サーブの安定ですね」

 マイアミ・マスターズの直前、アメリカ西海岸で行なわれたインディアンウェルズ・マスターズの初戦を突破した錦織は、「マスターズ優勝のために必要なこと」として、その2点を真っ先に挙げた。

「自滅するパターン」をなくすこと、そして「サーブを安定させ、確実に自分のゲームをキープすること」。それらに加え、特にインディアンウェルズでは、岩砂漠特有の環境に適応することも求められた。