2016.01.17

シャラポワ戦も。全豪OPで
日本女子テニス界が放つ「3本の矢」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

「もう、新しいシーズン、始まってますよ」

 やや苦み混じりの笑みを浮かべ、諭(さと)すように彼女は言った。土居美咲(世界ランキング65位)に、昨年末の優勝に関して改めてお祝いの言葉を述べたときのこと。彼女はやんわりと、過ぎ去った栄光にとらわれることを否定し、自分の目線はすでに未来に向けられていることを主張した。

初めてグランドスラムの大舞台に立つ日比野菜緒 この土居を筆頭に、今回の全豪オープンには日比野菜緒(58位)、そして奈良くるみ(84位)の3人の日本人女子選手が、本戦ダイレクトインを決めている。彼女たち3人に共通するのは、みなWTAツアー優勝の経験があること。同時代に3人以上のツアータイトルホルダーがコートに立つのは、伊達公子や沢松奈央子が活躍した1990年代以来である。

 土居と奈良は、ともに1991年生まれ。ふたりは小学生のころから、時に対戦相手として、時にジュニア遠征へ繰り出す仲間として、そしてダブルスパートナーとして戦ってきた仲である。

 先に日本国内に、そして世界に名を知らしめたのは、奈良のほう。「天才少女」と呼ばれた彼女は、小学生や中学生の国内タイトルを総なめにし、ジュニアの国際大会でも頂点に立った。さらに奈良は、2005年のウインブルドン・ジュニアのダブルスで土居と組んで準優勝の好成績を残し、日本テニス界の注視を集める。この準優勝はもちろん、ふたりで等しく掴んだ栄冠だ。