今季、棄権ゼロ。錦織圭が語る「ケガに強くなった要因」 (3ページ目)
そのような負傷や体力の疲弊を避けるため、あらかじめマドリード大会を欠場したのが、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)だ。悲願のフレンチオープン初優勝にターゲットを定めるジョコビッチは、その標的確保に万全を期するため、マドリードをスキップした。世界1位が下したこの決断は、マスターズ2週連続開催がいかに選手を疲弊させるかを物語っている。
その鬼門のローマの地に、今年の錦織は堂々第5シードとして立っている。もちろん、「体力的には楽ではない。バルセロナ、マドリードと厳しい連戦が続いているので、できれば1週休んでローマだと助かります」と苦笑し、過密スケジュールに対する苦言もやんわりと呈(てい)してはいた。
それでもローマ大会の初戦(2回戦)では、世界ランキング40位のイジ・ベセリ(チェコ)相手に2時間11分、7-6、7-5のスコアの熱戦を制して3回戦へと歩みを進めた。
試合序盤は、伸び盛りの21歳が長身から打ち下ろすサーブや、高い打点から叩き込まれるバックの強打に苦しめられ、相手に先行される苦しい戦いを強いられた。太陽が天頂から照りつけ、集中力を維持するのも困難な状況だったが、それでも第1セットは終盤で追い付き、タイブレークの末に競り勝つ。第2セットはサービスキープに軸足を置きつつ、ゲームカウント5-5の勝負どころで「集中し、積極的に攻めて」ブレークに成功。本人も「最高のプレーではなかった」「疲れも出てくるころ」と認めながらも、「いつも100点は難しいが、その中で2セットで勝てたのは良かったです」と安堵の笑みをこぼした。
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