2015.01.16

シンプルながら重みに満ちた、錦織圭25歳の所信表明

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

1月特集 錦織圭2015年の挑戦!(4)

 錦織圭の新シーズンは、常に新しい年齢とともに幕を開ける。12月29日が誕生日なため、新年の所信表明はそのまま、新しい年齢での誓いにも重なるのだ。

 彼にとっての2015年は、25歳として迎えるシーズンである。

自己最高の第5シードで全豪オープンに挑む錦織圭 年齢のことを聞かれると、最近の彼はいつも少し目を伏せ、口の端に苦笑いの溝を刻む。

「だんだん、キャリアの中盤に差し掛かっているような感じはします」

 錦織は日ごろ、自分の実年齢と心の感覚に開きがあるとも言う。

「つい先日も人と話していた時、自分では23歳のつもりでいて、25だよって言われました(笑)」

 そう言って照れた笑いを浮かべるが、ひとたびテニスモードに頭が切り替われば、自分の立ち位置を客観的に見つめていく。

「やっぱり年が過ぎるのは、すごく速い……」

 だからこそ、世界の5位として迎えた今季の重みや、過ごす日々のかけがえのなさを、彼は今まで以上に実感している。世界の頂(いただ)きすらも、リアルに視野に捉えながら戦う2015年シーズン。その真価を問う、最初の試金石とも言える大会――「全豪オープン」が、1月19日に幕を開ける。

 大会開幕に先立ち発表されたシード順で、錦織はランキング通りの第5シードに位置づけされた。理論上は、準々決勝まで自分より上の選手とは当たらない。錦織は昨年5月、トップ10の壁を破って9位になった際にも、「トップ10より、8位以内のシードのほうを意識する」と素直な想いを口にしていた。

 初めて準々決勝に進出した2012年の全豪オープン以降、昨年の全米オープンまで錦織はグランドスラムでベスト8以上の成績がなく、4度の4回戦敗退(ベスト16)を経験している。そのうち、2013年の全仏オープンと2014年の全豪オープンはラファエル・ナダル(スペイン)に敗れており、2013年の全豪オープン4回戦の黒星も、当時5位のダビド・フェレール(スペイン)に喫したものだ。このようなトップ5の選手に当たる事態は、第8シード以内にいれば防ぐことができる。今季開幕戦となったブリスベーン国際の準決勝で、錦織はミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に敗れたが、その宿敵も今回の全豪オープンでは第8シード。4回戦以前で、当たることはない。

 昨年末、日本に帰国した際は多少のリップサービスも交えて、「5年以内に世界1位に」と目標を掲げた錦織だが、今シーズン開幕直後には当面のゴールを、「1年を通じてこの位置をキープすること」だと言っている。その上でも、8位以上のシード確保は欠かせない。