外国人記者が語る「私たちが錦織圭を愛する理由」 (4ページ目)
同じように、プレッシャーの影響を否定したイリギス紙『テレグラフ』のブリッグス氏は、比較対象としてイギリス人のアンディ・マリーを挙げ、「ウインブルドンの国でトップ選手として注目されたアンディのプレッシャーは半端ではなかった。それに比べればケイはましだろう」と言う。さらには、「コート上の姿や所作を見ても、ケイは常に落ち着いているし、自分のやるべきことに集中しているように見える」との見方を口にした。また、フランス人のホムシ氏も、「ケイは自分がやるべきことが分かっているだろうし、そんなことに煩(わずら)わされるタイプには見えない」と断じている。『レキップ』のコニェ氏に至っては「そもそもプレッシャーに潰されるような選手なら、トップ5まで来られてないさ」とも言った。
ヒヨコやミッキー・マウスの柄をさらりとに着こなす愛すべき柔軟さと、海外記者の目にも明らかな、コート上で発する確固たる覚悟と勝利への欲求――。それらをバランスよく内在させられることこそが、もしかしたら、この稀有なる日本人アスリートの強さの秘密なのかもしれない。相反する側面を両翼とし、錦織圭は険しき山にそびえる障害をも、ひらりと飛び越えんと挑んでいく。
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