【テニス】 ベストシーズンを送った錦織圭が語る現在の思い。
「来季はトップ10に近づきたい」 (2ページ目)
――大会中、左ひざにテーピングをしていましたが、今弘人トレーナーのサポートも大きかったと思います。
「しっかりケアしてもらいました。体は痛んでいましたが、そんな中で、優勝ができるようなプレイができたわけですから、本当にたくさんの方のサポートがあっての優勝でしたね」
――ダンテ・ボッティーニコーチからは、どんなアドバイスがあったのですか。
「もっと前に出て、しっかり攻める。チャンスがあれば、前へというのはずっと言われていました」
――今季、ATP500大会のジャパンオープンに優勝したのですが、次のステップとして、マスターズ1000大会の優勝をイメージできますか。
「イメージは、まだできていないですけど、もちろん次の目標ではあります。マスターズでは、ほとんどトップ4(1位ノバク・ジョコビッチ、2位ロジャー・フェデラー、3位アンディ・マリー、4位ラファエル・ナダル。現在、この4選手がビッグ4と呼ばれている)の選手しか勝っていないですし、トップ10の選手でも、なかなかそこに辿り着けていない。難しいと思いますけど、やはり(マスターズで)優勝するのが目標になりますね」
――フェデラーとジョコビッチは、マスターズで優勝した翌年にグランドスラム制覇をし
ていますね。
「はい。まずはマスターズで優勝して、ビッグ4に勝たないと、グランドスラム(の優勝)もないと思います。ランキングをもっと上げて、トップ10に入れば、可能性も見えてきますけど、そこより、まだその前の目標を達成していかないと辿り着けない。ま、少しずつですね」
――リスクを犯さないで勝てるようになったのは、錦織選手が地力をつけた証拠ですが、その一方で、ビッグ4に勝つにはそれだけでは足りないのでしょうか?
「もっと攻撃力を上げたいですね。今のテニスに付け加えるべきものは、攻撃力です。あとは強い体、それも大事になってきます」
――来季の目標は。
「ツアー優勝はもちろん目標ですし、ランキングも、もっとトップ10に近づけるようにしたいですね」
ジャパンオープンの大会期間中に、父・清志さんが「他の選手と比べて体が小さい圭は、本当によくやっていると思います。最近では、(トップレベルで勝つことを)当たり前のように皆さん見ているようですが、これは大変なことなんです」という言葉を残していた。その時、錦織は、左ひざにテーピングをしてのプレイだったのだが、我が子が常にギリギリの状態で戦っているのを目の当たりにし、父親として息子の体を心配しての言葉だったのかもしれない。
その心配は現実のものとなり、錦織は、今季最後のマスターズ1000・パリ大会で、右足首のケガを再発させ、3回戦を棄権して帰国の途についた。
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