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ミスターラグビー平尾誠二は「僕らの太陽」だった 学生時代の悔しさを胸に10年後「神戸製鋼V7」を達成 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【ラグビーを愛し、愛された人】

 ただ、日本が南アフリカを下した2015年ワールドカップを前後して、表舞台から姿を消した。かなり痩せてしまった......という噂話はよく耳にしていた。そんな矢先のことだった。

 2016年10月20日、胆管がんで天に召された。享年53歳。

 平尾がかつて日本代表に招集したジェイミー・ジョセフが、その指揮官に就任したばかりだった。そのジョセフHCは日本代表を率いて、2019年ワールドカップで史上初のベスト8に進出。常に世界を視野に入れていた平尾が、その躍進を目にすることができなかったことは、本当に残念でならない。

 11度の日本一を経験し、ワールドカップに選手・監督として4度出場した「ミスターラグビー」。平尾誠二ほどラグビーを愛し、愛された人は、今後も日本ラグビー界に現れないだろう。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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