ラグビー日本代表「超速アタック」はオールブラックスにも通用した キーマンは新9番 (2ページ目)
【世界トップクラスのランニングSHになる】
開始早々、日本はパス&ランでボールを継続し、ループプレーも交えて守備にプレッシャーをかけてオールブラックス陣内で戦う。すると前半5分、ラックから素早く球出しをしたあとに、藤原は左を向いたまま右から走り込んできたWTBジョネ・ナイカブラ(ブレイブルーパス東京)にパスを通して先制トライを演出。
「(ジョネが)来ることがわかっていたので(あえて)逆のほうを見ていた」
前半19分のトライも、ラインアウトからサインプレーでゲインしたのち、最後は藤原が逆サイドに展開してNo.8ファウルア・マキシ(スピアーズ船橋・東京ベイ)のインゴールに結びつけた。
「マキシさんがよく声を出してくれていましたので、僕は仕事に集中しながら、周りの声を信じてトライにつながった。いいトライでした!」
昨年のワールドカップの中軸だったSH齋藤直人(27歳)がフランス・トゥールーズに挑戦していることもあり、藤原は5試合連続して9番を背負うなど、桜のジャージーのなかで存在感を高めている。
藤原の成長について、ジョーンズHCは目を細めて語った。
「彼はすべてのテストマッチで少しずつ上達している。彼は生まれながらのラグビー選手。教室ではなく実践で学ぶタイプ。走れる若いSHとして非常にインパクトがあり、相手のディフェンスを脅かしてくれます。世界トップクラスのランニングSHになるでしょう」
大阪出身の藤原は小学校時代、野球やバレーボールをしていた。ラグビーを始めたのは中学校から。高校は親元を離れて石川・日本航空石川に進学し、花園にも出場した。
天理大では1年からレギュラーを張り、U20日本代表やジュニア・ジャパンに選出。4年時には、オールブラックス戦で初キャップを得たSO松永拓朗(ブレイブルーパス東京)とのハーフコンビでチームの初優勝に大きく貢献した。
自分から仕掛けるランは学生時代からの大きな武器で、天理大の小松節夫監督には「積極的に行きすぎるから、もう少しコントロールしてほしい」と指摘されていたほど。次世代を担うSHとして、大学時代から将来を嘱望されていた。
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