号泣の桑井亜乃から永遠にタックルを受け続けた中村知春 親友同士が語るラグビー愛「でも、ラグビーは愛してくれない」 (2ページ目)
「ラグビーが大好き」と語る中村知春 photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る――どのあたりで、ラグビーが好きになったのでしょうか。
桑井 ラグビーって知れば知るほど、もっと知りたくなっていくスポーツだと思っています。引退してレフェリーになってからも、新たな魅力を見つけられて、そこにまたハマっていきました。レフェリーとしてやり始めて、苦しいこともありましたけど、それを乗り越えた時に、すごく充実していたし、もっと知りたいなと思いました。少しずつ世界で認めてもらった時に、自分が成長していっているのがすごく面白かったです。
中村 東京オリンピック後、両親に「なんで続けるの。もういいじゃない」って言われました。その時にやっぱりラグビーが好きという以外の理由がなくて、「ラグビーしかないじゃん!」と思った。ラグビー、大好きですね。
桑井 LINEで、ふたりで「なんか苦しいけど、うちらラグビー絶対大好きだね」とか書いていたよね。
中村 でも、ラグビーは愛してくれない。愛し返してくれないんだよ。私はこんなに好きなのに......。だから永遠の片思いみたいな(苦笑)。でも、「ラグビー好きでしょ」と言われると「そんな好きじゃない」みたいに言いたくなっちゃう(笑)。なんか認めたくない。
桑井 でもたぶん、サクラセブンズのなかで一番ラグビーを愛した選手だと思います!
【サクラセブンズへのエール】
――ところで、おふたりが最初に会ったのはいつですか。
中村 いつだったかな。桑井が初めて日本代表に来たのは、2012年にフランスで行なわれた大学生年代の国際大会で、試合に出られなくて、もう過呼吸になるぐらい泣いていた。
桑井 そりゃ、そうです。だってラグビーを始めて3カ月で、初めての公式戦だったし。「タックルできないから試合に出さない!」と言われて、「それは、まだできねぇよ」と思っていた。中村がタックルバッグを持って、「もっと来いよ!」と永遠にタックルを受けてくれました。
中村 過呼吸になりながら泣いている桑井のタックルをバフ、バフって受けていたね。
桑井 泣いているから全然、力が入らないし(苦笑)。すごいところに来たなと思いましたね。本当に最初の一年はよく覚えています。
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