4年後のラグビーW杯には間に合う? 「未来の日本代表」に推薦したい4人の大学生ラガーマン (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【先輩・福岡堅樹に憧れて五輪もW杯も目指す】

 次に紹介したい選手は、3連覇を目指す帝京大でキャプテンを務めるHO江良颯(はやて/4年)。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)もその能力を認めていた若手のひとりだ。

 父も兄も大阪桐蔭出身という江良は、ワールドカップに4度出場したHO堀江翔太に憧れて、高校時代にBKからFWに転向。2年時はPRとして同校初の花園優勝に大きく寄与し、高校3年時からHOとしてポジションを確立した。

 身長170cm、体重106kgと、HOとしては決して大きな体躯ではない。しかしながら、身のこなし、スクラムワーク、ラインアウト、さらにはリーダーシップに長けており、常に考えてプレーするクレバーさを併せ持つ。

 大学1年時から2番を背負い続けて、帝京大の力強いセットプレーを支えてきた。江良は「大学生のなかで敵がいない『圧倒的な2番』になる。次のステージを見据えて、考えやスキルをいろいろ身につけていきたい」と将来の日本代表を視野に入れて語る。

 前監督の岩出雅之氏(現・帝京大スポーツ局局長)からは「グラウンドに立ち続けろ。仲間を絶対に裏切るな」と言われ続けてきた。その言葉を胸に、江良はキャプテンとして3連覇を達成し、次のステージに進むことができるか。

 3人目は、昨季の対抗戦で5位ながら大学選手権でベスト4に進んだ筑波大のキャプテン谷山隼大(はやた/4年)だ。身長184cm、体重95kgで、今季はチーム事情でNo.8を務めているが、CTBやWTBでもプレーできるアスリート能力の高い選手である。

 谷山は4人きょうだいの長男で、父はもちろん姉、妹、伯父、従兄弟もラグビーを経験している、福岡では知られたラグビー一家に育った。ラグビースクールの先輩で憧れていた元日本代表WTB福岡堅樹さんの母校・福岡高に進学。全国の舞台に立つことはできなかったが、国体では東福岡の選手に交じって優勝を経験し、FLとして高校日本代表に選出された経歴を持つ。

 一般入試では早稲田大に合格できなかったが、ラグビーと陸上の能力を生かして筑波大・体育専門学群に合格。50メートルを6秒3で走り、立ち幅跳びでは290cmを記録している。

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