ジェイミージャパン初陣の7年前は大敗 最終戦アルゼンチンに勝って敵地初のベスト8進出なるか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

【日本代表チームが大事にしている「TPD」という言葉】

 チーム内MVP「ソード賞」に輝いたのは、先発SHの役目をしっかりと果たした齋藤。

「自分に何を求められているのか、そこをはっきりさせて準備してきたので、そこまで動揺することもなく試合に入れたかな。『(ケガで先発の座を託された流から)チームを勝たせてこい』と言われました。(勝利して)もうすごくうれしいのと、少し安心しています」

 プレースキックを担当した松田は、3試合目にして初めて1本外してしまったが、今大会は16本中15本を決めて成功率93.8%。「切り替えて1本ずつ集中してやるだけ。自分のキックを信じてやり続けていきたい」と前を向いた。

 もちろん、反省も忘れていない。試合後のコメントで「ぬるい部分があった」(WTB松島幸太朗)「ムラがあった」(姫野)と語られたように、4トライ以上のボーナスポイントを挙げられなかったことは次戦に生かしたい。

 日本代表が大事にしているキーワードのひとつに、「TPD」という言葉がある。「TEAM FIRST(チームファースト)」「PREPARATION(準備)」「DO YOUR JOB(自分の役割を果たす)」の頭文字だ。まさしく今回のサモア戦の勝利は、FWとBKが「TPD」を成し遂げた結果だ。

 勝ち点9として予選Dプール2位となった日本は、10月8日のアルゼンチン戦にどんな形でも勝利すれば、アウェーの地で初のワールドカップ・ベスト8進出となる。

 ジョセフHCの初陣となった2016年11月、日本はアルゼンチンに20-54で大敗した。あれから7年──。ジェイミージャパンの集大成として、白星を掴み取って新たな歴史を築いてほしい。

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る