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ラグビー日本代表のFW陣はイングランド戦で自信をつけた!サモア戦では「負けないスクラム」に注目 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

【ノッコンに惑わされた日本代表は勢いを失った】

 日本の夏を感じさせるような25度・湿度80度のなか、日本代表はSH流大やSO松田力也が相手の裏のスペースにキックを蹴る戦略を選んだ。イングランド相手に臆することなく果敢にトライを狙う姿勢を見せ、前半は松田がPG(ペナルティゴール)を3本決めるなど必死にくらいつき、わずか4点差の9-13で折り返した。

 ハーフタイムでは選手たちが「ゲームプランどおり」と口を揃えたとおり、日本にとって悪くない流れだった。さらに後半14分にも松田がPGを決めて12-13と1点差に迫ると、ここから勝つ流れにもっていける......と思えた。

 その矢先だった。

 直後の後半16分、イングランドにボールを継続され、最後はPRジョー・マーラーがノックオンしたかに思われたが、ビデオ判定の結果、頭にしか当たっておらず(※頭はノックオンにならない)、そのままFLコートニー・ロウズにトライを許し、12-20と点差を広げられてしまった。

「(ノッコンだと思って)自己判断でプレーを止めたことによって、流れがちょっと変わってしまった」(WTB松島幸太朗)

 このワンプレーによって、試合の流れはたしかに大きく変わった。残り20分、日本は選手を入れ替えても勢いを取り戻すことはできず、逆にイングランドのプレッシャーを受けて2トライを献上。結局、4トライ以上のボーナスポイントも与える内容でノーサイドとなった。

「プレーのひとつひとつの判断、精度、クオリティなど(の差で)、タフなチームに得点につなげられてしまった。もっと研ぎ澄ませていかないといけない」

 試合後、姫野主将は悔しそうな表情を見せて語った。

 キック主体のアタック戦術で、イングランドを驚かせることはできた。しかし結局、トライには結びつかなかった。PGで得点を重ねていくだけでなく、数少ないチャンスでしっかりトライを取りきらないと、奇跡は起こせない。

 ただ、この試合で日本代表としてワールドカップ15試合目の出場となり、トンプソン ルークを抜いて歴代最多となったリーチからは、前向きな言葉も聞けた。

「チャンスボールの使い方、そこをうまく使えば、もっと点数は取れると思う」

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