リーチ マイケルのすごみを笹崎アナと忽滑谷アナが語る。「優勝を信じて選手の皆さんについていきます!」 (2ページ目)
──チリ戦はリーチ選手含めたベテラン勢のほか、若手の活躍も光りましたね。
笹崎:今回、最後に追加招集されたFL下川甲嗣選手とLO(ロック)/FLアマト・ファカタヴァ選手がスタメン出場してすばらしい働きをしていました。FL福井翔大選手やCTB長田智希選手も出ていましたし、層の厚さを感じましたね。
若手選手もベテラン選手も活躍するバランスのいいチームが出来上がったのは、19年大会での活躍があったからこそだと思うんです。SO(スタンドオフ)李承信選手も同大会を大学の寮で見て、心を動かされたひとり。彼のように「あの舞台に自分も立ちたい」と思った当時の学生たちが、今回の日本代表の一員として加入してプレーしているんです。
──ワールドカップでの活躍は、次の世代を作る大きなきっかけになるわけですね。
笹崎:そう思います。それに若い選手たちはみんなメンタルが強くて。初めてのワールドカップで相当なプレッシャーがあるはずなのに、李選手は「それを受けるのが楽しみ」と(笑)。「勢いあるな!」と思います。
──後半終了間際に出場したLOワーナー・ディアンズ選手も、試合後に「楽しかった」と笑顔で言っていました。
笹崎:ワーナー選手、最年少ですよ!?
忽滑谷:21歳とは思えませんね(笑)。
笹崎:身長201センチあるらしいけど、まだ伸びているらしい。
忽滑谷:それでタックルされるのを考えたら...、すごすぎます。
笹崎:彼のようなフィジカルが大きい選手が加わると、攻撃のバリエーションが増えるのでとても楽しみです。ジェイミー・ジョセフHCも「これから、日本代表の未来を担う選手」と話していました。
──今大会での活躍はもちろん、それ以降の日本代表の成長もさらに楽しみです。次戦は強豪イングランドとの対決になりますが、おふたりはこの試合をどのように捉えていますか?
忽滑谷:やはりプールDを勝ち抜くうえで、次戦が最大の正念場になってくると思います。これに勝つか負けるかで、その後のサモア戦、アルゼンチン戦の試合の流れに大きく影響すると思うので。イングランドは、キャプテンのSOオーウェン・ファレル選手とFLトム・カリー選手がレッドカードを受けて出場できない。それがどう影響するのかがポイントかもしれません。
ただ、逆にそのようなマイナスのシチュエーションが怖いんです。というのも、私、先日のFIBAバスケットボール・ワールドカップ2023をスポーツキャスターとして担当・取材していたのですが、日本代表は八村塁選手の欠場、さらには格上が揃うグループでの戦いと決して余裕ではない条件での戦いでした。でもだからこそ、チームがグッと団結し、そのピンチさえも強さに変えることができ、パリオリンピック出場を決められたのだと思うんです。だから主力を欠いたイングランドも、この状況だからこそよりチーム力が深まって100%以上の力を発揮してくるのではないか、と恐れています。
バスケW杯でもスポーツキャスターとして担当・取材した忽滑谷アナウンサーこの記事に関連する写真を見る
──確かに、日本代表も姫野選手を欠いたなかでの内容ある勝利でした。それを踏まえて、どんな試合展開が予想されますか?
笹崎:イングランドは初戦のアルゼンチンとの試合で、SOジョージ・フォード選手が全27得点を、しかもすべてキックで決めていました。おそらく、次戦も同様にPG(ペナルティゴール)やドロップゴールで得点を積み重ねてくると思いますし、ハイボールをたくさん使ってプレッシャーをかけてくると思います。それに対して、日本も対策をしっかりしているそうですし、ペナルティがあれば、ラインアウトからプレーを再開してトライを狙いにいく。そういったまったく正反対のスタイルでのぶつかり合いになったらすごく面白い内容になるのではないでしょうか。
もちろん、日本としてもキックは重要になるはずですから、チリ戦でコンバージョンキックを100%決めたSO松田力也選手には期待ですね。
忽滑谷:それと、最後のアルゼンチン戦にも注目しています。アルゼンチンはFWの体が大きく、BKの足が速く、全体的にバランスが取れていて、強いチームの典型だと思うんです。イングランドには負けてしまいましたが、日本にとっては同じプール内で最大の壁のひとつであることは間違いありません。ここ数年で日本は決して侮れない相手だと、すでに世界に認知されているはずですから、そのうえで、全力で挑んでくるアルゼンチンに対していまの日本がどう戦い、どう日本ラグビーの強さを証明するのかをすごく楽しみにしています。
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