元ラグビー日本代表・真壁伸弥が唱えるイングランド戦勝利のカギ 相手の長所と「真っ向勝負」 (3ページ目)
──前回大会以上の結果を残せるかどうか期待と不安が入り混じりますが、真壁さんはどのような結果になると考えていますか?
「前回と同じベスト8入りを期待しています。ただ、最近は危険なタックルが厳しく取り締まられるようになり、大会前には日本代表やイングランドにもレッドカードが出ました。カードが出ると日本は相当不利になりますので、気がかりですね。サモアのような大きい相手に対しては懐にタックルに入るのに勇気がいりますし、そのためには慣れや経験も必要です」
──最後に今の代表への期待、メッセージをお願いします。
「今はいろいろな国から"ジャパンは強い"と見られていて、ターゲットにされています。ですからそれ相応のメンタルと体の準備が不可欠です。それが相手への礼儀であり、必要になってくることだと思っています。代表に選ばれていることは本当に名誉なことで誇りに思えることですから、思いっきりワールドカップを楽しんでもらいたいです。
ワールドカップはメンタルの勝負、と言いましたが、自信がなかったらワールドカップではプレーできません。日々やってきたトレーニングが自信を作り上げてくれるので、今大会もそのようなメンタルで臨んでほしいと思います」
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日本代表は今回のワールドカップの前のテストマッチで1勝5敗と思うような結果が残せなかったこともあり、真壁さんからは厳しい意見も飛び出したが、自身の経験を踏まえたアドバイスも忘れなかった。初戦を白星で飾った日本代表の快進撃を、前回大会以上に期待している。
【profile】
真壁 伸弥(まかべ・しんや)
1987年3月26日生まれ、宮城県仙台市出身。現役時代のポジションはLO。仙台工業高校でラグビーを始め、恵まれたサイズを活かして高2でU17東北代表に選出。その後U19日本代表にも選ばれキャプテンも務めた。中央大学でも活躍しサントリー(現、東京サンゴリアス)に加入すると、主力として、またキャプテンとしてチームを牽引。トップリーグ4回、日本選手権5回の優勝に貢献した。2009年に日本代表デビューし、2015年のラグビーワールドカップに出場。南アフリカ戦を含む3勝の立役者のひとりに。スーパーラグビーのサンウルブズでもタフな働きを見せた。2019年11月、現役引退を表明。日本代表37キャップ。現在はサントリーの社員、東京サンゴリアスのパートナーシップ、解説者、ウイスキープロフェッショナルなど様々な立場で活躍中。
著者プロフィール
齋藤龍太郎 (さいとう・りゅうたろう)
編集者、ライター、フォトグラファー。1976年、東京都生まれ。明治大学在学中にラグビーの魅力にとりつかれ、卒業後、入社した出版社でラグビーのムック、書籍を手がける。2015年に独立し、編集プロダクション「楕円銀河」を設立。世界各地でラグビーを取材し、さまざまなメディアに寄稿中。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。
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