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ラグビー日本代表はトライ欠乏症 サモア戦のミスの原因をベテランが自己分析 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【国内テストマッチは残り2戦】

 この試合で4人の初キャップが誕生したように、若い選手の台頭は実にうれしいニュースだ。しかし、やはりチームをリードしないといけないのは、2019年ワールドカップ組であることは明白である。

 リーチがレッドカードを受け、山中がダイレクトキックでミスを犯し、チームの中軸である経験豊富な選手たちがノックオンしてしまえば、勝てるはずの試合に当然勝てない。イングランドやアルゼンチンといった強豪国だけでなく、ランキングで格下のサモアにも勝つことは難しくなる。

 2019年ワールドカップ以降、日本代表の対戦成績は3勝11敗と大きく負け越している。上位の強豪国である「ティア1」にひとつも勝つことができず、勝利したのは格下のポルトガル戦(38-25/2021年11月)とウルグアイ戦(34-15、43-7/2022年6月)のみだ。

 3度目のワールドカップ出場を目指す稲垣は、語気を強めた。

「選手全員がこの結果を受け入れないといけない。そして来週、自分たちが何をすべきか、どういう準備をすべきか、考えないといけない。ファンに勝つ姿を見せることは、日本代表の使命です」

 国内でのテストマッチは残り2戦──。7月29日に大阪・花園ラグビー場でトンガ代表(15位)、8月5日に東京・秩父宮ラグビー場でフィジー代表(13位)を迎え撃つ。

 "勇敢な桜の戦士たち"は今度こそ、経験豊富なベテラン選手たちがアタックをリードしてトライを量産し、ホームのファンに勝利を届けてくれるだろうか。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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