ラグビー日本代表はトライ欠乏症 サモア戦のミスの原因をベテランが自己分析 (3ページ目)
【ミスの理由をベテランに聞く】
日本代表は昨年11月、ワールドカップの予選プールDで対戦するイングランド代表に13-52で敗戦。その試合で見えた課題として、接点でのフィジカル強化は急務だった。そのため、6月の浦安合宿では柔術を専門とするタックルコーチを招聘して対策を行なった。その成果は、このサモア戦でも随所に出ていたことは間違いない。
ただ、この試合ではノックオンによるボールロストがあまりにも多かった。稲垣啓太(PRプロップ/埼玉パナソニックワイルドナイツ)も「10回以上あったのでは......」と振り返るほどで、それが後半のノートライにつながったとも言える。
敗戦の責任は、レッドカードをもらったリーチだけが負うものではない。姫野和樹(FLフランカー/トヨタヴェルブリッツ)や松島幸太朗(WTBウィング/東京サントリーサンゴリアス)といった、チームをリードしなければいけない選手もボールを落としていた。
ミスが多かったことについて、ジョセフHCは厳しい口調でこう言い放った。
「(初キャップだった)福井翔太(FL/埼玉パナソニックワイルドナイツ)や長田智希(CTBセンター/埼玉パナソニックワイルドナイツ)ら若い選手たちは、本当によくやってくれた。ミスをしたのはマイケルら主力選手たちであり、若手ではない。
ボールを落としているのは、経験豊富な選手たち。彼らもミスをするつもりはなかっただろうが、テストマッチではどうしてもプレッシャーがかかる。もっと改善しなければならない。だから、ミスをした選手が責任を負わなければならない」
なぜ、これほどまでにミスが増えたのか。原因を選手に聞いてみた。
「経験ある選手が、焦らなくていいところでエラーがあった。しっかりと(ボールをキャッチするために)足をためないといけないのか、(選手同士の)幅を確認しないといけないのか......。いずれにせよ、ディテールを確認していけばミスはなくなる」(坂手)
35歳のベテラン山中亮平(FBフルバック/コベルコ神戸スティーラーズ)は「何でだろう?」と首をひねった。33歳の稲垣は「自分たちのミスで不甲斐ない試合をしてしまった。インディビュジュアル(個人)の問題です」とキッパリと言いきった。
3 / 4