伝統のラグビー「慶明戦」はなぜ大差がついたのか。3年生BKコンビが主将不在の明治大を「前へ」押し進めた (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

次は帝京大との全勝対決

 クラブが伝統として大事にしている『前へ』の言葉を胸に、明治大の今季のスローガンは『AHead』に定めた。aheadは「先に」「前へ」という意味で、AとHを大文字にしたのは、All=チーム一丸、Head=頂点を取る、と意味合いを込めたという。

 まさしく今回の慶明戦は、明治大BK陣が「前へ」を体現し続けた試合となった。「BK、FWともに帝京大、早稲田大に負ける気はさらさらない。BKから前に出て、自分たちのラグビーができるようやっていきたい」と齊藤副将はキッパリと言った。

 12月4日、9シーズンぶりに国立競技場で行なわれるライバル早稲田大との「早明戦」の前に、11月20日には勝ち点差1で追う帝京大との全勝対決が待っている。勝利したほうが対抗戦優勝に大きく近づくのは間違いない。対抗戦で1位となったほうが大学選手権のトーナメントで優位となるため、何としても勝利したい一戦だ。

 そのころには、エースのWTB石田主将も戻ってくると予想される。慶明戦で得た大きな自信を胸に、FWだけでなくBKから「前へ」を身をもって示すことが、4シーズンぶりの大学日本一へとつながる。

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