大畑大介が注目する若手ラガーマンは伸びしろの塊。FL下川は「令和の大野均」、SO李は「驚くべき成長」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 もちろん、タックルなどの改善点はあります。ですが、ここ数試合で驚くべき成長、自信を手に入れました。勢いのあるなかでトップレベルと対戦することは、彼にとって大きな経験になります。彼の爆発力を考えると、2023年ワールドカップに向けてどんどん起用してほしいです! 11月に行なわれるイングランド代表戦では23歳のSOマーカス・スミスとのマッチアップも楽しみですね。

 大学を中退して神戸に加入した承信は、今の大学4年生と同い年の21歳。しかしながら落ち着きがあり、高いクオリティでチームの信頼も得ていると聞いています。昨季は、神戸のリーダーとしてチームメイトの元オールブラックスの選手がいるなかで、10番としてプレーできたことが大きいと思います。

 そんな競争を勝ち上がってきたことで、さらに自信もついたことでしょう。この半年で大きな経験を積めたと思います。このチャンスをしっかりと掴んで、どんどん視野を広げていってほしい。このまま成長していけば、実績のある松田力也(埼玉ワイルドナイツ)もポジション争いで安心していられないのではないでしょうか。

---- 日本代表の司令塔争いは今後も過熱しそうでしょうか。

「承信だけでなく、日本代表にはそれぞれ色のある10番がいます。一番クオリティが高いのは現在のところ松田ですが、今はケガをしています。中尾隼太(ブレイブルーパス東京)はフィジカルとゲーム理解度が高く、山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ)はファンをワクワクさせるパフォーマンスと結果を残しています。また、ベテランの田村優(横浜イーグルス)も控えています。

 田村に司令塔のポジションを頼らざるを得ない時期が以前は長かったですが、現在は松田以下の3人がいい意味で競争している。来年のワールドカップで誰が中心となるかはわかりませんが、各々の選手がそれぞれチームの色を変えるので、まだまだ伸びしろがあります。

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