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ラグビー初代リーグワン王者を目指す4人の韋駄天。1年半後のワールドカップで「ポスト福岡」の座に就くのは? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

フィジーが生んだ怪物ランナー

 竹山はWTBのポジションながらトライを取るだけでなく、つなぎのプレーでも光を放つようになった。いろんなシーンで「積極的にボールを触ること」を意識し、ボール争奪戦でも目立つようになり、さらにはSO(スタンドオフ)としてプレーするなど成長の幅を見せた。

 昨季はプレーオフの前にケガを負い、優勝に貢献できず悔しい経験をしたという。フットボーラーとして大きく進化した竹山の「リーグワン初代王者」にかける思いは強い。

 一方、今季4シーズンぶりにベスト4に進出したBL東京からは、フィジー出身のWTBジョネ・ナイカブラ(28歳)に注目したい。ニュージーランド留学を経て来日を果たし、摂南大学時代には7人制日本代表にも選出。2018年のセブンズワールドカップでも活躍した生粋の韋駄天である。

 力強いランとスピード、ステップを兼ね備えたランナーで、自分の役割を「トライのチャンスでフィニッシュすること」と言うように、2018年から昨シーズンまでリーグ戦26トライを積み上げてきた。今シーズンも14試合に先発して9トライを取るだけでなく、クリーンブレイク数もリーグ4位の13回を記録するなど、アタック系のデータすべてにおいて上位にランクインしている。

「スピードとフィットネスでハードワークをして、(福岡)堅樹のように活躍したい」と話すように、ナイカブラの志は高い。個人で突破する能力が発揮されれば、優勝への可能性はさらに広がるだろう。

 そして最後に紹介する韋駄天は、日本のラグビー界を引っ張ってきた東京SGのWTB/FB(フルバック)尾崎晟也(せいや/26歳)だ。

 ユニチカでプレーした父の影響で3歳から競技を始めた尾崎は、伏見工業(現・京都工学院)時代から快足ランナーとして名を鳴らし、帝京大時代は9連覇に大きく貢献。大学在学中の2017年にはアジア勢との対戦で日本代表キャップも得た。

 ワールドカップイヤーの2019年春には、日本代表候補選手チームに選出され、6試合で5トライと気を吐いた。しかし、松島幸太朗や福岡とのポジション争いに敗れ、ワールドカップメンバーから落選した。

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