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ラグビー初代リーグワン王者を目指す4人の韋駄天。1年半後のワールドカップで「ポスト福岡」の座に就くのは? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

王道を歩む25歳のスターWTB

 もちろん、今季リーグワン新人賞候補の筆頭だ。根塚は新人王について謙虚な姿勢を崩さず、トレードマークである笑顔でこう語る。

「昨シーズン(ひとつ年上の同僚)金秀隆選手が獲っているのを見てうらやましかったし、自分も選ばれる選手になりたいと思っていました。だけど、試合をやるにつれて、そこを目指してというより、ひとつひとつの試合にフォーカスしているほうが(気持ちとして)大きい。

 チームがしんどい時でも、楽しもうという意識を持ってプレーしています。チームが乗っている時や自分がいいプレーをしている時は楽しんでいることが多いので、自然と出る笑顔は本心だと思います」

 1978年のスピアーズ創設以来、優勝の経験はない。若さとスピードが魅力の根塚ならば、きっとチームが苦しい時に勢いを与えるはずだ。

 S東京ベイと対戦する埼玉WKは今季、コロナ禍の影響で開幕2試合が不戦敗スタートとなった。しかしその後、14連勝を成し遂げてリーグ戦2位でプレーオフに進出。そのチームで「不動のWTB」として君臨しているのが、3シーズン目の竹山晃暉(25歳)だ。

 3歳からラグビー競技をはじめ、御所実業時代は花園準優勝を経験。帝京大でも1年生からレギュラーを張って7〜9連覇に貢献したスター選手である。ランだけでなく、パス、キックのスキルの能力も高く、的確な状況判断や決定力にも長ける韋駄天だ。

 強豪パナソニックでも加入早々に先発の座を掴み、1シーズン目は6試合で7トライ、2シーズン目は7試合で6トライを挙げて新人賞に選出。そして今シーズンは14試合中13試合に先発し、10トライを挙げてトライランキング3位タイに食い込んだ。

 昨季のトップリーグMVPに輝いた日本代表WTB福岡堅樹が、夢であった医者の道を志すためシーズン終了後に引退。それを経て迎えたシーズンだけに、同僚だった竹山はより意気込んで臨んだ。

「堅樹さんがいなくなって弱くなったと言われないように、チームの底上げをしないといけない。個人的にもプレーヤーとして、堅樹さんの穴を埋めたい。堅樹さんとは違う僕の見せ方をアピールできれば」

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