福岡堅樹が語るラグビーW杯への想い。「巡り合わせの運に応えたい」 (5ページ目)

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

―たしか祖父は開業医、父も医師ですよね。そういった周りの影響もありますか?

「はい。もし実際に医師になることができたら、自分自身、スポーツに携われたらいいなというのがあります。自分のような経験はなかなかないと思うので...。お医者さんに理屈的に言われても納得がいかない選手ってたくさんいると思うんですけど、トップレベルを経験した医者から言われると、たぶん、そこは説得力が違うと思うんです。選手とのコミュニケーションもとりやすいでしょうから。そういう自分にしかできないことができたらいいな、というぐらいの漠然とした思いがあります」

―東京オリンピックが終わったら、ラグビーはやめるんですか。

「はい。やめます」

―かつてインタビューした元ウェールズ代表のJ・P・Rウィリアムスという選手は現役時代、医者で代表でしたよ。

「聞いたことはあります。でも、僕には無理です。タイプも年齢も違います。トップレベルでは身体が持ちません。やるとしても、ほんと趣味程度でしょう」

―突然ですが、自分を色に例えると何色でしょう。

「難しいですね」

―純粋ですから、白でしょうか。

「やっぱり自分の生きる道というのは曲げたくないので、周りに染まりそうな白ではないと思います」

―ちなみに所属しているパナソニックのクラブカラーは青ですね。広い海、広大な空の色。

「では、青ですね。基本的には自分のやりたいことにチャレンジしていきたいです。自分の夢には妥協したくない。後悔のない選択をしていった先にあるのが、結局、自分がなりたかった自分になれるのかなって」

―オンリー・ワンですね。

「臨機応変に対応しますけど、基本的には曲げたくないですね」

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 写真の撮影時、福岡堅樹がボールを抱えて窓際に立つ。「今年のラグビーワールドカップに向けた決意を」と聞くと、背筋を伸ばした。

「もちろんトライはとりたいですが、後悔の残らない大会にしたいですね」

 独自の人生設計を生きる。焦らず、気負わず、迷わず、わが道を走っていく。

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