2019.02.04

福岡堅樹が語るラグビーW杯への想い。
「巡り合わせの運に応えたい」

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

「ラグビーW杯最前線 桜の下の戦士たち」 ●連載第2回:福岡堅樹(後編)

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 韋駄天。スピードスター。フィニッシャー。そんな言葉ではまだ届かない。日本代表のWTB(ウイング)福岡堅樹は、生来のスピードを武器にグラウンドを駆けまわってきた。

 とくに、その爆発的なダッシュ力たるや。背を少し丸め、深い前傾姿勢を保った重心の低いランニングで相手ディフェンス網を切り裂いていく。ディフェンスでも、閃光のごときタックルでチームのピンチを救う。「挑みかかる気概」を感じさせるのだった。

コーヒーが好きで自ら豆をひいたりもする福岡堅樹

“ラグビーワールドカップイヤー”の1月某日。秩父宮ラグビー場近くのカフェの2階だった。いつも誠実、実直。NHK大河ドラマの「いだてん」を見ているかと聞けば、26歳ははにかんだように笑った。

「見ていないです。そういうあれ(ニックネーム)を自覚しているわけじゃないので」

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―昨年秋には、日本代表として、ニュージーランド代表オールブラックス(●31-69)、イングランド代表(●15-35)、ロシア代表(○32-27)と戦いました。3試合で得たものはなんでしょうか。

「ひとつは自信ですね。自分の中では。オールブラックスとは、代表に入ってすぐにやったことがあるんですけど、その時(2013年11月2日、●6-54)は”世界のトップで高い場所にいるチームだ”と必要以上に相手を高く見ていました。何とかしたいとがむしゃらにプレーしていた部分があったと思うんです。それが昨年は、例えば、向かいの選手がスーパーラグビーでマッチアップした時の選手だったので、そういう意味では必要以上に大きく見ることはなくなっていました。自分の中で蓄積されたものもありますし、自分らしいパフォーマンスを出せたのもあったので、やっぱりオールブラックス相手でも、自分の考えを持ってプレーすればパフォーマンスは出せるんだという自信を得られました」