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オールブラックスも速さを絶賛。
文武両道の韋駄天がリベンジに燃えた (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 2013年11月にオールブラックスと対戦時、当時の福岡はエディー・ジョーンズHCに抜擢されたばかりの大学2年生。試合終了間際、オールブラックス主将のFL(フランカー)リッチー・マコウにグラウンドから押し出され、ノートライで試合を終えた悔しい思い出があった。

 その後、大学4年生になった福岡は2015年ラグビーW杯で3勝を挙げたチームの一員として活躍し、2016年は7人制日本代表としてリオデジャネイロ五輪で4位入賞に貢献。そして大学卒業後はパナソニック ワイルドナイツで1試合6トライの「ダブルハットトリック」や、サンウルブズの選手としてスーパーラグビーでもトライを量産するなど、その走りに日々磨きをかけてきた。

 前回の対戦時は「オールブラックスを必要以上に大きく見ている部分もあった」と福岡は語る。しかしその後、数々の世界の舞台を経験してきたフィニッシャーは、「(今回は)若手も多いし、つけいる隙があるのでは......」と自信をのぞかせていた。

 オールブラックスの試合前の踊り「ハカ」に対し、日本代表はキャプテンFLリーチ マイケルを先頭に肩を組んで、前にじわりじわりとにじり寄った。そのとき、福岡は冷静にこう思ったという。「相手のハカを見て、心は熱く、頭は冷静に、というメンタル状況を作れたのでありがたかった」。

 前半の中盤までは相手に押し込まれ、福岡もなかなか見せ場を作れなかった。だが、中盤以降はラインアウトのサインプレーから切れ込み、ジェイミー・ジャパンになってから磨いてきたハイボールキャッチや接点での強さも見せるようになる。これらのプレーについて福岡本人は、「接点でジャッカル(ボールを奪うプレー)をできたし、フィジカルも前回の対戦時より活かせたところがたくさんあった。自分のなかで成長した」と胸を張った。

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