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オールブラックスも速さを絶賛。文武両道の韋駄天がリベンジに燃えた

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 日本が世界に誇る「韋駄天」が、黒衣軍団との対戦で確かな成長の跡を見せた。

 11月3日、日本代表は2019年ラグビーワールドカップの開幕戦で舞台となる東京・味の素スタジアムにて、W杯2連覇中の王者「オールブラックス」ことニュージーランド代表と激突した。日本代表がオールブラックスに挑むのは、今回で6度目である。

オールブラックス相手に堂々たるプレーを見せた福岡堅樹オールブラックス相手に堂々たるプレーを見せた福岡堅樹 国内の日本代表戦では2004年以降最多となる4万3751人の観客が見守るなか、「ブレイブブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」は若手中心のオールブラックスにボールをうまくつながれ、接点でも後手を踏んで10トライを許してしまった。

 その一方、オールブラックスから5トライを挙げたのは、これまでの対戦において過去最多。日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は、「5トライ獲れたことは非常にいい兆しだし、成長の証だと思う」と前向きに語った。

 その日本代表のアタックのなかで、オールブラックスの選手たちが「あのWTB(ウイング)は速い」と舌を巻いたのが、「11番」を背負う福岡堅樹だ。福岡は10月26日の世界選抜戦(28-31)に続き、オールブラックス戦でもワールドクラスの走りを披露したのである。

 筑波大学出身の福岡は、「文武両道のラグビー選手」として有名だ。祖父が医師、父親が歯科医師という家系の影響もあり、東京オリンピック後は医学の道を志すことをすでに決めている。「15人制の日本代表は2019年W杯で最後と決めている。ゴールが見えているからがんばれる」(福岡)。

 試合前、福岡は並々ならぬ口調で意気込みを語っていた。

「5年前の対戦で世界の壁を痛感したので、その雪辱を果たしたい。普段は『チームが勝てばいい』と言っているが、今回は自分自身でトライを獲って、その壁を乗り越えたい!」

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