包囲網が強まっても帝京大に迷いなし。
早大撃破で偉業達成へひた走る

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

「ラグビー精神」は生きている。例えば、対戦相手に敬意を払う。その歴史にも。

 大学ラグビー王者の帝京大が、創部100周年の早大にリスペクトを抱いて挑み、楽しみ、そして圧倒した。パワーを増しながら、関東大学対抗戦8連覇、大学選手権10連覇の偉業にひた走る。

今夏の対戦では負けていた早大にリベンジを果たした帝京大今夏の対戦では負けていた早大にリベンジを果たした帝京大

 試合後、東京・秩父宮ラグビー場の外だった。1970年創部。1996年から、その帝京大を率いる岩出雅之監督は小雨の落ちる中、「早稲田大学さんにはお世話になってきた」としみじみと漏らした。

「草創期の帝京大学ラグビー部が(早大OBに)支えられた事実もある。早稲田の背中を追いかけながら、我々は成長させてもらった。厳しさも教えてもらった。ラグビーの先頭を走ってこられたチームに対して、心からリスペクトしているんです」

 実は試合前日のジャージ授与式の際、岩出監督は、早大の100周年に触れている。"早稲田の関係者の方々の尽力があるから、いまの帝京がある。敬意を持って、しっかり戦おう"といったことを学生たちに語り掛けたそうだ。

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