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サンウルブズ開幕6連敗。それでもW杯へ、
チームは成長しているのか (4ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 ジェイミーHCは記者会見の際、3分ぐらいで質問が途切れると、「ありがとう」と日本語で言って帰ろうとした。冗談だった。席に座って続けた。いつもポジティブ。

「負けが込んでいる状態だけど、それが現実だと思う。きょう、選手たちは全身全霊でプレーした。タフなリーグ。非常に度胸、勇気がいることだと思う」

『勇気なくして栄光なし』をモットーとする堀江も前を向く。個性的な髪型。長くて黒いあごひげを左手でさわりながら笑った。

「いちいちへこんでいたらやっていられない。気にせず、前に進むのが大切ですよね」

 同感である。サンウルブズで日本代表を語るのはナンセンスだが、来年のW杯を山の頂としたら、山の麓あたりを登っているイメージか。濃い霧の中を。

 愚問ながら、つい堀江に聞いてしまった。いま、山のどのあたり? 

 「全然、わからないですよ。登っているとき、あと何mで山のてっぺんってわからないでしょ。僕らは必死で登り続けるしかない」

 サンウルブズは次の土曜日の14日、秩父宮ラグビー場でブルーズ(ニュージーランド)と対戦する。

 次こそ、モヤモヤした霧を晴らすような、スカッとした初勝利を。

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