36歳で緊急フル出場。トンプソン ルークの代表引退はもったいない (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「すごくプライドを持って戦うことができました。(W杯)準々決勝には進出できなかったけど、新しい歴史を作ることができた。今日で僕は代表引退です。ちょっと寂しいですけど、僕の最後のテストマッチでした。キンちゃん(大野均)は4年後もたぶん大丈夫だけど(笑)、僕はおじいちゃんだから無理です」

 ところが、アイルランド代表との第1戦を終えた直後、日本代表の「緊急事態」にトンプソンは代表復帰を決意する。ジョセフHCはトンプソンを招集した理由をこう説明した。

「ロックが5人ケガをしています。昨秋に主力ふたりがケガを負い、2015年W杯メンバーの真壁(伸弥)と大野(均)も負傷で離脱。『SOS』を発信したら、彼が来てくれました。日本代表60キャップ以上のベテランなので、大きなテストマッチでは必要不可欠な存在です。今いる人材で今後をどう見据えるかということも大事ですが、彼の経験や能力を考えると他に選択肢はなかった」

 トンプソン自身も、ふたたび桜のジャージーを着ることになったことを素直に喜んだ。

「(アイルランドとの第1戦が行なわれた17日の)土曜日の夜にジェイミーから『ケガ人が多くて1週間だけ(お願い)』と電話がありました。日本代表は特別なチームです。難しい判断だけど、簡単な判断でした。日本代表を助けたい。(招集されて)めっちゃ、うれしいです」

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