世界一オールブラックス指揮官が京産大に教えた「ラグビーのメンタル」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji


 もし、日本と対戦したら?という質問に対しては、「できればニュージーランドが勝ちたいと思いますが、よく知っているジェイミー・ジョセフが指導していますし、素晴らしい選手もいるので、決して侮れない存在です。スーパーラグビーの経験もありますし、非常にリスペクトしている」と答えつつも、日本がワールドカップで結果を残せるかについては「抽選によるところが大きい」と言うにとどまった。

 そして、その数時間後に2019年ワールドカップにおいて、日本がプールAに、ニュージーランドがプールBに入ることが決定。日本が2位で、ニュージーランドが1位で通過すると、準々決勝で対戦することになった。

 ハンセンHCはコーチングの最後で「パフォーマンストライアングル」について説明した。その三角形は、頂点が「公式戦のパフォーマンス」であり、その頂点を支えるふたつの角は、ひとつが「学んでいくこと」、そしてもうひとつの重要な角は「楽しむこと」だという。「学ぶこと、楽しむことのプロセス、バランスがよければ、必然的に頂点に行きつくことができます」。

 31人の大学生や京都産業大ラグビー部の総監督以下関係者には、実際に肌でラグビー王国の息吹を感じる貴重な時間になったはずだ。ハンセンHCの指導を活かし、京都産業大ラグビー部は伝統的に強いスクラムだけでなく、タックル、ラインアウトも強化されるだろうか。そして、強靱なメンタルで大学ラグビーに旋風を巻き起こせるか、注目しておきたい。

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