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【ラグビー】帝京大圧勝V6。そして、進化はまだ止まらない (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹(T&t)●写真 photo by Takami Hiroki(T&t)

 問題は、選手のディシプリン(規律)、意識となる。今季のピンチは夏の菅平合宿、早大戦の前だった。部員の気が緩み、流主将は泣いた。同主将は学生ミーティングを開き、「1日1日、やり切ろう」と奮起を促した。

 チームは変わった。激しいポジション争いがスタンダードを押し上げ、12月、ジュニア選手権(準レギュラー戦)でも圧倒的な強さで優勝した。チャンスは平等。大学選手権第2ステージでは、難聴のウイング大塚貴之が試合に出場した。大塚が「感謝の気持ちでいっぱいです」と言えば、流主将はこう、述懐する。「努力が報われるということを証明してくれた」と。

『いい人間になろう』。部員がよく口にする。いいラグビー選手ではなく、卒業後、社会で通用する人間になろう、ということである。情熱と根気。いい人間をこつこつと作り上げてきた結果が、この金字塔である。

 次のターゲットは日本選手権での『打倒!トップリーグ』である。さらには大学選手権連覇の継続である。日本ラグビー界において、「7」はかつて新日鉄釜石が達成した「V7」のインパクトが強く、特別な数字となっている。

“帝京ラグビー”は円熟期に入った。他大学の革新的な創意工夫と圧倒的な努力がなければ、進化し続ける帝京大の時代が続くことになる。

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