2015.01.11

【ラグビー】帝京大圧勝V6。そして、進化はまだ止まらない

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹(T&t)●写真 photo by Takami Hiroki(T&t)

 赤い塊(かたまり)がグッと前に出る。前半7分、相手ボールのスクラム。帝京大のスクラムハーフ流大(ながれ・ゆたか)主将がこぼれ球を拾い、そのままインゴールに駆け込んだ。先制トライに赤く染まったスタンドが揺れた。

「FWの顔を見て、これは押すと確信した」と流主将が振り返る。「僕はこぼれ球を拾うことに集中していた。あれはFWのトライです。よくファイトしてくれたと思う」

 9日の全国大学選手権決勝(東京・味の素スタジアム)。パワフルな帝京大がスクラム、接点で圧力をかけ、決勝の史上最多得点記録となる50-7で、筑波大を圧倒した。積み上げてきた連覇はついに『6』に延びた。

後半27分、帝京大・磯田泰成(右)がトライ。後方は 日本代表にも選出された筑波大・福岡

 狙い通り、帝京大はまず、スクラムからプレッシャーをかけた。筑波大が自信を持っていたブレイクダウン(接点でのボール争奪戦)でも何度となく相手ボールを奪った。相手ボール奪取の「ターンオーバー」の数は、筑波大4本に対し、帝京大は16本にもなった。

 これは腕力の強さもあるが、1人目がきちっとタックルを低く決めて押し込み、2人目、3人目が素早く寄って足を掻いているからである。つまりフィジカルと忠実な基本プレー、ゲーム理解力の賜物だった。
 
 とにかく帝京大の選手はまじめなのだ。特にピンチでの戻りが早く、ハンドリングミスによる傷口も広がらない。ディフェンスでも、攻撃的に前に前に出ていく。筑波大のエースウイング福岡堅樹(けんき)もなかなか自由に走らせず、前半の3トライで勝負の流れを決めた。