【ラグビー】第2S終了。ファイナルSの注目は古豪・神戸製鋼!

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹●写真 photo by Takami Hiroki(T&t)

 ラグビーのトップリーグ(TL)は第2ステージを終え、上位4チームがプレーオフトーナメントに進出した。リーグ戦1位の神戸製鋼が、8季ぶりにプレーオフ進出を決めたヤマハ発動機と、同2位となった前回覇者のパナソニックは、9季連続プレーオフ進出の東芝とそれぞれ対戦する。今季は4チームの戦力が拮抗しているだけに、自分たちの強みをきっちりと発揮したチームが覇権を手にすることになる。

トライ王に輝いた神戸製鋼の新人、山下楽平トライ王に輝いた神戸製鋼の新人、山下楽平

▽神鋼―ヤマハ(24日・花園)

 神鋼が、勝ちパターンを確立している。キックでエリアを稼ぎ、208cmのロック、アンドリース・ベッカーを中心としたラインアウトからトライを奪いにいく。11日のキャノン戦(秩父宮)でも5トライ中3本をラインアウトからの攻撃で奪い、47-8でキャノンに圧勝した。

「ラグビーに対する姿勢、意識が一段上がった」と神鋼のフランカー橋本大輝主将は言う。「80分間、勝つために誰も妥協しなくなった。きつい場面できついプレーを選択できる。自分たちのスタンダードを出せば、必ず優勝できると思います」

 今季はギャリー・ゴールド新ヘッドコーチ(HC)のもと、「attitude(姿勢、態度)」を高めてきた。とくに成長の跡が見えるのはディフェンスだ。パナソニックに屈辱の大逆転負け(12月13日、27-29)をした後、各自の防御意識が高まった。各自が前に出て倒すタックルを徹底し、ディフェンスラインも崩れなくなった。しぶとくなった。

 例えば、キャノン戦の苦しんだ後半序盤。ゴール前、スタンドオフ山中亮平がよく戻って相手スクラムハーフ福居武にタックルし、窮地をしのいだ。その後、再三のゴール前でのピンチも粘り切った。橋本主将は言葉を足す。「今シーズン、やってきたディフェンスが大きく崩れることなく、試合を終えることができたのは収穫」と。

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