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【ラグビー】サントリーを2冠に導いたエディー・ジョーンズは、
日本代表に何をもたらすのか?

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

トップリーグに続き全日本でも優勝。有終の美を飾ったエディ・ジョーンズHCトップリーグに続き全日本でも優勝。有終の美を飾ったエディ・ジョーンズHC

 指導力か、運命か。エディー・ジョーンズ監督は『何か』を持っている。

 まさに有終の美である。雨空の下、小柄な52歳が3度、サントリーの選手たちの手で宙に舞った。目はもう真っ赤だった。

 エディーが冗談口調で思い出す。

「ぼくを落とさないか、心配しました。いまはホッとしています。これで優勝を存分に楽しむことができるでしょう。幸運なことに、お酒の会社に勤めているから」

 サントリーは強かった。接点で優位に立ち、ほとんどボールをキープし続けた。しぶといパナソニックの防御にも的を絞らせないように、ぶ厚いアタックのカタチは崩れなかった。攻めて攻めて、我慢して攻め続けた。そこに『アタッキング・ラグビー』の完成をみる。

 守っても、ディフェンス網は乱れない。それぞれが自身の役割に徹する。タックルしても、倒れてもすぐ、立ち上がる。とくにゴール前ピンチの寄りが圧倒的だった。

 ノートライに封じた。エディーは言った。

「日本一の攻撃的なラグビーを実践できた。日本一のディフェンスのチームにもなった。真のチャンピオンだと思う」

 18日。日本選手権の決勝(国立競技場)。サントリーがパナソニックを21-9で破って、2年連続5度目の優勝を果たした。チームとしては、トップリーグとの初の二冠を達成した。戦力充実も、やはり1年間のハードトレーニングがあったからである。

 選手の努力とエディーの手腕の成せる業だった。2冠の要因はなんといっても、フィジカル&メンタルのフィットネスの成長である。

 典型が後半29分のトライだった。5点差に詰め寄られた後だ。中盤あたりのラックで相手ボールを奪取する。

 右に左に連続攻撃を仕掛ける。ゴール前に迫り、プロップ畠山健介がスペースを突く。重ねた密集のポイントは実に13個。攻守の我慢比べに勝って、最後はCTB平浩二がポスト下に飛び込んだ。15人の意思統一と体力、ボールを生かすボディーコントロール。

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