早田ひなが張本美和、新星・大藤沙月に完勝で、全日本卓球シングルス3連覇「ここからが"シーズン2"の始まり」 (3ページ目)
【早田が圧巻の2試合連続のストレート勝ち】
優勝争いは早田、張本、大藤に加えて、フルゲームの末に平野を下した伊藤がベスト4に進み、世界ランキングでトップ10に入る4選手によるハイレベルな戦いになった。
そこで、底力を見せつけたのは早田だった。26日の午前に行なわれた準決勝で大藤と対戦し、厳しいミドルへの攻めから得意のフォアハンドを振りきってポイントを重ねるなど、ケガの不安を感じさせないプレーを披露。第3ゲームでは5-9のビハインドから大藤にプレッシャーをかけ続け、14-12でこのゲームを奪う。その後も大藤に自由を与えず、4-0とストレートで決勝へ勝ち進んだ。
もうひとつの準決勝では張本が伊藤に4―0で勝利し、決勝は2年連続同じ顔合わせとなった。
張本はこの1年でスケールアップを遂げたが、早田はそれを上回った。第1ゲームから9連続ポイントと圧巻のプレーを披露。国内屈指のラリー力を持つ張本との打ち合いにも負けず、フォアドライブ、チキータなどを駆使して試合を優位に進め、サービスでもポイントを重ねるなど、経験に裏打ちされた老獪なプレーで張本をゲームカウント4-0で押さえ込んだ。
若き実力者ふたりを無力化させた早田が、史上6人目となる女子シングルス3連覇を果たした。最終日に充実のプレーを見せた早田だが、試合後には「パリ五輪の自分に戻ることはできていない」と、いまだケガと向き合いながらの現状を明らかにした。そして「"シーズン1"がパリ五輪までの早田ひなだとしたら、ここからが"シーズン2"の始まり」と言葉を連ねた。
昨年とは異なる姿で、今年の全日本でも主役を担ったエースが、新たな覚悟とともにロサンゼルス五輪に向けて卓球人生を歩んでいく。
(男子編:日本男子卓球の「次世代エース」17歳の松島輝空が覚醒 全日本選手権で張本智和を相手に挑んだ「真っ向勝負」>>)
【写真】全日本卓球で活躍した女子卓球の選手たち
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