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早田ひなが張本美和、新星・大藤沙月に完勝で、全日本卓球シングルス3連覇「ここからが"シーズン2"の始まり」 (2ページ目)

  • 井本佳孝●取材・文 text by Imoto Yoshitaka

【張本、急成長の大藤もベスト4へ】

 一方、早田と共に優勝候補の筆頭に挙げられていたのが張本美和(木下グループ)だ。昨年の大会で準優勝した張本は、パリ五輪団体戦メンバーに抜擢されて銀メダル獲得に貢献。その後、世界卓球、アジア卓球選手権などの国際大会で実績を重ね、世界トップクラスの若手選手に成長した。

 今回は、2017年大会を16歳9カ月で制した平野美宇(木下グループ)を上回る、16歳7カ月での最年少優勝を視界に入れていた。4回戦、5回戦を順当に勝ち進み、6回戦では世界卓球でメダル経験もあるカットマン、佐藤瞳(ミキハウス)にも4ー0で完勝した。

 掛け持ちで出場していたジュニアの部では、福原愛、石川佳純に続く3連覇を達成し、一般の部でもベスト8へ。準々決勝ではサウスポーの山﨑唯愛(サンリツ)に序盤こそ苦しんだものの、終盤に立て直し4ー2の逆転勝利でベスト4まで駒を進めた。

 さらに、もうひとり大きな注目を集めていたのが大藤沙月(ミキハウス)。2023年10月から指導を仰ぐ坂本竜介コーチのもと、攻撃的なスタイルを目指し、振りの鋭いバックハンドを軸とした"より前に出る卓球"に活路を見出した20歳の選手だ。

 その効果は国際大会で形となって表われた。2024年10月の「WTTチャンピオンズモンペリエ」では平野、伊藤美誠(スターツ)、張本を下して優勝。日本人選手相手にも強さを発揮し、世界ランキングを7位まで上げた全日本に挑んだ。

 大藤は、テンポのいいラリーから鋭い両ハンドを躊躇なく振りきるシーンが目立つなど、磨きをかけてきた新スタイルで勝ち上がっていく。同じブロックの実力者、6回戦の長﨑美柚(木下グループ)戦でも要所の局面ではパワーで押し返す場面が目立つなど、4ー1で勝利してブロックを突破した。

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