【あの人は今】スカッシュ松井千夏「美人アスリートと言われるのは、正直ちょっと嫌でした」 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【スカッシュ人気をオリンピックまでにピークへ】

── それはすごい思い出ですね。ほかにも覚えていますか?

「『KUNOICHI(女性版SASUKE)』のような女子アスリートナンバーワンを決めるスポーツ番組に出るのは好きでした。出演しても、しゃべらなくて済むので。ただひたすら、腕立てと腹筋と背筋を黙々とやればよかったから(笑)。

『スポーツマンNo.1決定戦』では(三色筋肉女子日本一決定戦で)途中まで1位と、けっこういいところまで行ったのですが、最後は総合格闘家の藤井恵さんに抜かれてしまいました。周りはすごく盛り上がりましたね!」

松井千夏が47歳の今も現役を続けている理由とは? photo by Sano Miki松井千夏が47歳の今も現役を続けている理由とは? photo by Sano Miki── そのようなテレビ番組で松井選手を見て、スカッシュを始めた人も多いのでは?

「はい。私が出ているテレビ番組でスカッシュを知ったという人も多くいました。そういうのはやっぱりうれしかったですね」

── 今から思えば、当時「美人アスリート」として取り上げられることについて、どう思っていましたか?

「うーん......やっぱり正直に言うと、ちょっと嫌でしたね。出演者のみなさんはそれぞれの競技やっているから、当然ながらその競技独特の体つきになるじゃないですか。だからテレビに出て腕や足を出すのは嫌でした。バドミントンの潮田さんも抵抗があるって言っていましたね」

── 松井選手は今も現役を続けていますが、今後について聞いていいですか。

「体調を崩してスカッシュをできない時期もありましたが、11月の全日本選手権をターゲットに再び練習を開始しています。あとは今、住んでいる北九州でスカッシュの認知度を上げていきたいです。自分が競技を続けることでスカッシュをやってみたいと思ってくれる人もいますし、年齢や性別に関係なく、子育てしながらでもできるスポーツだと知ってもらいたいですね」

── 今後も現役を引退するつもりはないと?

「37歳で出場した2014年のアジア大会が終わったあたりから少し(トップレベルを維持することが)厳しくなってきたんですけど、そのあとは一度、気持ち的に整理しました。現役を続けているからこそ、新たな場所で普及活動ができたり、新たな出会いもありますので。

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