2028年ロス五輪正式種目に決定も「どうやったら普及できるんだろう」 日本代表の近江佑璃夏が描くフラッグフットボールの未来 (2ページ目)

  • 永塚和志●text by Kaz Nagatsuka
  • 村上庄吾●photo by Murakami Shogo

【全国6700の小学校に普及した理由】

――フラッグフットボールは現在、学習指導要領に含まれ、日本全国の小学校の3分の1にあたる約6700校で体育の授業に採用されているそうですが、この競技の魅力や長所が子どもたちの教育に向いている理由になっているのでしょうか?

「はい。すごいですよね。フラッグフットボールは作戦を考えてそれを試して、さらにもう1回、考え直してトライをしてということを繰り返していきます。あとは楕円形のボールを触ったことのある子は多くはないと思うので、平等性も高いのかなというのもあります。ちっちゃい子も大きい子も、男の子も女の子も、全員が活躍できるっていうところで小学校のスポーツに向いていると思います」

――近江選手も子どもたちに教えるためのイベントなどに呼ばれたりするのですか?

「ご依頼をいただいた時には小学生に教えに行ったり、小学生のチームを教えたり一緒にプレーしたりします」

――社会人としてフラッグフットボールをプレーすることから得られるものはありますか?

「アメフトも同じだと思いますが、フラッグは準備のスポーツでプレーを合わせるのにめちゃめちゃ時間をかけます。練習で合わせたプレーを持ち帰ってオンラインでみんなで『ここのタイミングはこうだよね』という具合に、選手同士でコミュニケーションを取って次の練習に向けて調整していく準備は、今の仕事に役立っていると思っています。私は営業職で、お客さんの情報を集めてどれを役立てようかというようなところを結構、準備していくタイプなので、仕事でもスポーツを生かせていると感じます」

――アメフトからプレーのインスピレーションを得たりはするものなのですか?

「アメフトのプレーも見たりはするんですけど、とはいえ結構、違う部分が多いので、(フラッグフットボールの)海外のプレーを真似するほうが多いです。身体的な力の差を補うべく日本独自で考案したプレーも、みんなで話し合いながら『面白そうだね』みたいな感じでつくったりしています」

――ブルーローゼスでのプレーの数はどれくらいあるのですか?

「詳細には触れられませんが、全部で50以上です」

――それだけの数のプレーを覚えるのは大変ですよね。

「そうですね。シンプルに暗記をするところもありますが、プレーの名前に意味をつけて暗記法みたいな感じにして覚えるものもあります」

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