石川佳純が目指すのは「最強のプレー」。東京五輪でリベンジを期す (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by AFLO


 そして、世界ランクのポイントで平野を65点差で追い、臨んだ12月のITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンオープン。この大会は通常のワールドツアーよりランクの低い「チャレンジ」という枠組みのため、獲得ポイントが少なく、当初は出場を想定していなかったという。それほど代表選考レースは混戦を極めていたのだ。

 すでに伊藤が11月にシングルス代表入りを確実としていたため、残る枠はたったの1つ。この権利を争う石川と平野の両者が、奇しくも決勝の舞台で顔を合わせた。試合は石川がゲームカウント4-2で平野を下して優勝。これにより石川が135ポイント差をつけて平野を逆転した。そのまま選考レース最後の大会である「ワールドツアーグランドファイナル」に臨み、両者ともに初戦敗退となったため、ポイントを上回っていた石川がシングルスの代表切符最後の1枚を手に入れた。

 平野とのデッドヒートの末、3度目の五輪出場を確実とした石川は「もう、日本の選手同士で戦わなくて済む」と涙ながらに本音を吐露。続けて「美宇ちゃんもずっと苦しいレースをしてきた」と共に戦ったライバルの健闘を称えつつ、「(シングルスで)出られなかった人の分も頑張らないといけない」と責任を感じながら、東京五輪での活躍を誓っていた。

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